カロスは不死だから「殺している」という感覚があまりない

ただじゃれ合っているだけで勝手に死んでいくから困るんだ。最近はシェリーの死が伝統芸みたいになっているから益々あかんのだ。
……なんだこいつ、サイコパスみたいなこと言ってやがる。

い、いやでも「私という存在を追求するのは難しそうだね、この霧の町ロンドンでは……(どやぁ)」とかやる彼女がそうおいそれと死ぬわけがなかろう。
探偵かぶれの哲学少女は強いのだ。シェリーとは比べ物にならないのだ。どんな鬱展開なストーリーにも屈さない強さを持っているはずなのだ。
その強さに思う存分首を絞められるととても楽しいけれど、そんな苦しみに唆されて死を選ぶほど第8世代の主人公は落ちぶれちゃいないだろう。
シェリーとは違うのだ。シェリーなんかとは違うのだ。

そして、あの毒の花はシェリーだけのものだ。

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