ピンクゴールドのズミさんは、魔術師のズミさんとは違って、恋というものだけでシェリーに前を向かせているような人間です。
でもそれってあまりにも、あまりにもあんまりじゃありませんか。
いや、素敵だと思うのですけれど、そういうものこそ夢小説らしいかとも思うのですけれど、こういうのを好まれる方も大勢いらっしゃるのでしょうけれども。
でもこれってあまりにも、あまりにも「雨袱紗」らしからぬ話ではありませんか。
臆病な少女の幸せな恋、なんて、そんな、とっても甘くてふわふわしたもの、あまりにも此処に不似合いじゃありませんか。
そう考えると、やっぱり特別編を書かせていただけるってすごく、私にとってありがたいことだなあと、思わずにはいられません。
だってまだ書けるってことなんですもの。まだ、このピンクゴールドに私らしい「濁り」を埋め込める可能性があるってことなんですもの。
恋を駆け上がって誤魔化すように幸せになるのではなく、恋と共に歩んだ先に幸せを置けるような、そうした話にできるかもしれないってことなんですもの。